電子帳簿保存法|領収書の保存は今後も必要か?

新幹線の切符をなくしても、あらかじめスマホで切符の写真を撮っておけば、社内改札に車掌さんが来ても、最悪大丈夫という逸話を聞いたことがあります。

今となっては、新幹線の社内改札もなくなりましたし、紙の切符さえ無くなりつつあります。

今回は電子帳簿保存法のお話です。

電子帳簿保存法とは

正式な名称は「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」です。

その名の通り、国税関係の帳簿に関しての法律です。

法人税法や所得税法で、帳簿および、納品書や契約書、請求書などの取引きに関することの証拠は、原則として7年間保存することになっています。

これらの書類を、電子的なデータで保存することも可能とするのが、電子帳簿保存法です。

この法律は、1998年(平成10年)に施行されています。

1998年といえば、Windows95が登場して数年経ち、インターネットが一般に普及し始め、ネットにつながったパソコンでみんなが仕事をするようになった時期です。

平成17年にはスキャナ取り込みによる電子データ保存が認められるようになっており、このころから大きな企業では、経費処理などのバックオフィス業務が、海外の拠点にアウトソースされるようになってきています。

経費の領収書を、スキャナで読み込んで中国など海外の事務サービス拠点に送って経理処理をすることが可能になったものと考えられます。

スキャナの保存についても電子署名が必要であったり、領収書の金額も3万円までという条件があったため、なかなか普及が進みませんでしたが、平成27年度の改正で3万円の制限が廃止され、普及が進むようになりました。

さらにその後の改正では、スキャンした証憑データの改変が受け取り側でもできないようになっているクラウドシステムが認められるようになり、そうであればタイムスタンプも不要となりました。

電子帳簿保存法に準拠したソフトウェアを利用する

具体的にはどうやって対応すればよいのでしょうか。

今日、経理業務の多くが経理ソフトウェアによる電子的な記録を行うことが一般的になっています。

いまだに領収書や請求書は紙の文書でやり取りされることが基本的ですが、スマートフォンとインターネットの普及で、領収書をスマホのカメラで撮影して、ネットワーク経由でどこか(クラウドストレージなど)に保存しておく事も簡単にできるようになりました。

具体的な対応方法としては、電子帳簿保存法に準拠したソフトウェアを使えばよいという事になります。

国税庁が公認するJIIMA(公益社団法人日本文書情報マネジメント協会)が認証を行っており、「電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証制度」で、認証を受けているソフトウェア製品やクラウドサービスを使えば良いことになります。

電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証製品一覧

税務署への申請が必要

電子保存のための要件の一つに所轄税務署長の承認があります。

電子保存を始める日の3ヶ月前の日までに下記の書類を提出する必要があります。

【必要書類】
① 国税関係書類の電磁的記録によるスキャナ保存の承認申請書
② 電子保存で使用するシステムの概要を記載した書類
③ 電子保存を行うPCに関する事務手続の概要を記載した書類(保存処理を委託している場合には、その委託契約書の写し)
④その他参考書類

キャッシュレスなら領収書は保存しなくてよいのか?

クラウドの経費精算システムと、決済事業者が直接連携されている場合は、領収書をスキャンすることも必要なくなります。

クレジットカードなど、キャッシュレス決済で経費を支払った場合に、領収書は保存しなくてよいのかという疑問を持たれるかもしれません。

キャッシュレス決済で領収書を保存しなくてよいのは、決済事業者と経費精算システムがデータ連携されている場合に限られます。

これは決済のデータが途中で改変されない必要があるためです。

領収書をスキャナで金額や日付を読み取って、システムに記録するような場合はいったんは領収書を保管しておく必要があります。

紙の領収書や請求書をファイルして保存しておくのも場所を取りますし手間がかかります。特に会社が大きくなってくればなおさらです。

クラウドシステムで領収書を読み込み保存が可能になれば、社内の定期検査が終われば領収書類は破棄することになります。

7年保存しなければならなかった領収書でしたが、年に1回は破棄できることになります。

画像データを保存するインフラも整ってきたので、クラウドサービスを活用して文書の保存を進めて、ペーパーレスと業務の効率化を進めていきましょう。

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