銀行に融資を申し込む際には、融資担当者との面談があります。
今はコロナウィルス感染対策で、電話での面談となるケースもあると思いますが、会社の状況や、なぜ融資が必要なのかを融資担当者に説明するために、面談が求められます。
この際、事前に資料を作成しておくことが融資をスムーズに受けるために重要になってきます。
基本的な資料として、過去2~3期の決算書は提出しますが、決算書以外にも用意しておきたい資料があります。それは、損益実績表と計画表、資金繰り表、経営改善計画などです。
なぜ資料を用意するのか
資料作りの目的は、なぜ融資が必要になったのか?いくらの融資が必要なのかを、銀行の融資担当者にしっかり説明することです。資料を事前に作ることで、融資が必要な理由を数字も含めて自分の頭に入れておくことができるのです。
銀行員は、決算書や財務分析についてはかなり勉強しています。しかし、中小企業の決算書や資金繰りについて、なんでもわかるというわけではありません。銀行員が勉強している教科書的な決算書は、中小企業ではほとんど出てこないと言えます。
ですので、相手が銀行員といえども、あなたの会社の決算書や資金繰りをすぐに理解してくれるわけではないという前提で資料を作り、交渉に備えることです。
どんな資料が必要か
- 損益実績表と計画表
- 資金繰り表
- 経営改善計画
の3つはそろえておきたいです。
1.損益実績表と計画表
どれだけの借入が必要かということを説明するために、損益計画を説明します。なぜこの計画になるのかという事を裏付けるために、実績を提示することで理解してもらいやすくなります。この資料では、売上と費用をシンプルにまとめて月次の損益が分かるようにし、月次の計画表と実績表を作ります。
2.資金繰り表
建設業や製造業など、売上金の回収まで時間がかかる業種の会社が、運転資金のために短期借入をする場合には、資金繰り表が必ず求められます。
資金繰り表も実績と、6か月程度の計画(予測)を用意します。
あまり緻密に作成する必要はありませんが、売掛金の残高がどれくらいあるかというところは説明できるようにしておきましょう。
また、手形の支払いや経費の支払いの計画については、どれくらいになるかを予想して作成します。
3.経営改善計画
債務超過であったり、赤字決算の後の申し込みの場合には、経営改善計画書があった方が交渉がしやすくなります。
- 業界動向
- 当社の事業状況
- 決算概況
- 課題(赤字の理由)
- 対策(どうやって経営改善につなげるか)
- 要望(どれだけ借りたいか)
上記の項目を簡潔に記述し、A4一枚程度の資料にします。融資担当者がざっと目を通して理解してもらえるように、あまりたくさん書きすぎないようにしましょう。
借り入れがある場合は借入一覧表も
借入金の返済がある場合は、どこからいくら借りていて、いくら返済しているかの一覧表も用意しておく必要があります。
複数の借入がある場合は、それぞれの借入が一覧できるようにまとめます。
- 借入先
- 借入期間
- 利息
- 月々の返済額
- 元金残高
などの項目でまとめるとよいでしょう。
これらの資料は、銀行の融資担当者が審査の際に作成する資料の一部でもあります。これらの資料をあらかじめ作成して提出するだけで、銀行の担当者も仕事が進めやすくなるわけです。
みんなの資金繰りでは、財務コンサルタントによる資金繰りに関する相談に応じています。借入金の返済が苦しい、銀行にリスケジュールの相談に行きたいが、どのようにすればよいかわからない。など、お困りのことがございましたら、みんなの資金繰り事務局にお問い合わせください。メールでの対応以外にも、財務コンサルタントのご紹介も致します。