銀行が個人保証を取る理由を知る

日本政策金融公庫など、政府系金融機関から借入する時には、保証なし担保なしで融資されるケースがありますが、民間の金融公庫から借りる場合には個人保証や担保をつけないと貸してくれない事があります。特に中小企業に融資をするときには、社長の個人保証を取られる事がほとんどです。

しかし、実際は個人保証が無くても融資をしてくれる事はあります。

どうすれば、個人保証・担保をつけなくても貸して貰えるようになるのか考えてみます。

代表取締役の個人保証をとる事の矛盾点

そもそも株式会社というのは、出資した額までの責任があるという制度の上に成り立っています。経営者個人に出資した額を超える責任が及ばないから、より大きな仕事に取り組めるというのが株式会社の利点なのです。

つまり個人保証がついてしまう事によって、株式会社のメリットが享受できない事になるのです。

事業承継への問題点

経営者と会社の所有者が切り離せるという事は、事業承継のしやすさという点にもあります。

株式会社では、会社の所有者としての株主が、経営の得意な人に会社の経営を任せる形をとることができます。つまり、経営者を別の第三者に交代することができるのです。

創業経営者が、親族以外の優秀な人に経営を任せたいと思った時、負債に現社長の個人保証がついていたらどうでしょうか。経営の事をよくわかっている優秀な人物であれば、個人保証付きの債務がある会社の経営者になりたいと思うでしょうか。

事業承継の際にも、個人保証がネックとなります。

銀行はなぜ個人保証をとりたがるのか?

ここで述べた問題点は大きく次の2点です。

  • 個人保証を取られることによる、株式会社制度(有限責任)との矛盾
  • 経営者の個人保証がついていると、親族以外の人に事業継承することが困難になる

金融庁としては、「経営者保証に関するガイドライン」を定着させることが重要だと考えています。

▼中小企業庁 経営者保証に関するガイドライン

しかし「経営者保証に関するガイドライン」があっても、銀行が社長個人の資産を担保として求めるというのは相変わらず存在しているようです。

銀行にしてみれば、個人保証がなくても本当に信用して大丈夫かという不安はあるわけでしょう。

つまり決算書が信用できないのです。

ではどうするか?

決算書が信用できないという事は、会社が信用できないという事です。

多くの会社は、借りる時は頭を下げてお願いするけれど、一度融資が実行されたら、知らん顔という事がほとんどだと思います。

貸したお金がどの様に使われて、その結果会社の業績がどうなったのか?という報告が無ければ、銀行としても不安になります。

決算ごとに、融資を受けたおかげで経営状況がどうなったかを、銀行の担当者に報告しても嫌がられる事は無いはずです。

報告をするからには、社長は会社の決算書をしっかり理解する事もできるはずですし、財務の勉強もしないといけないでしょう。そうやって、会社の数字をきちんと理解している社長が経営する会社である事がわかれば、銀行からの信用度もあがるでしょうし、会社に不利な条件を鵜呑みにする事も防ぐこともできるでしょう。

この事は、株式会社武蔵野の社長、小山昇さんが書かれている著書、「99%の社長が知らない銀行とお金の話」に書かれています。この本では、銀行がどの様に融資先の会社の事を考えているかが事細かに分かります。

また、少額でもいいので借入を行い、返済の実績を作っておく事も一つの考え方です。

このように、銀行から信頼されるにはどうすればよいかを考えていくことで、個人保証なし融資の交渉が可能になっていくのだと思います。

~参考図書~
99%の社長が知らない銀行とお金の話 小山 昇 (著)
小山昇の“実践”銀行交渉術 無担保で16億円借りる 小山 昇 (著)

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