2020/9/25のニュースに、レオパレスが債務超過になるという記事が出ていました。
「100億円超の債務超過、当面の手元資金は有しており、事業は継続する。」
という事が書かれています。
債務超過という言葉で経営が厳しいという事は想像ができますが、債務超過という状況がどういう事なのか、改めて確認していきたいと思います。
債務超過とは
決算書を見れば、債務超過である事はわかります。
貸借対照表の純資産の部の純資産の合計がマイナスであれば、債務超過となります。
債務超過とは、負債の総額が資産を上回っていて、資産をすべて売却しても負債を返済できない状態です。
負債が多いので、金利負担も少なくなく、返済の負担も大きなものと想像できます。
債務超過になるとどうなるのか
債務超過になると、資産をすべて返済に充てても負債を賄いきれないので、金融機関からの信用は当然低くなります。
したがって、次のような悪影響が出てきます。
- 金融機関からの借入ができなくなる
- 銀行から金利の引き上げや、早期返済の要求をされる事がある
- 上場企業であれば上場廃止になる
債務超過の前兆
債務超過になる前に、財務諸表の数字にも兆候が表れてきます。
赤字が続く
赤字になっても、すぐに倒産や、債務超過という事にはなりません。
純資産の合計がマイナスになっていなければ、債務超過とはなりません。
赤字体質が続くようであれば、純資産はいつかはマイナスになってしまいます。
自己資本比率の悪化
負債額が資産を上回って、純資産がマイナスになると、債務超過になります。
自己資本比率が低くなる傾向が続いているようであれば、負債と資産のバランスに注意した方が良いでしょう。
債務超過を解消する方法として考えられること
増資をする
増資をして資本金を増やすことで、貸借対照表の純資産の部をプラスに転じる事ができるかもしれません。
先のレオパレスのニュースでは、「スポンサー探しが急務だ」と書かれていました。
スポンサーとは、資本金を入れてくれる企業や投資家という事になります。
まずは増資をして、債務超過を解消してから事業を立て直すことが考えられるのでしょう。
借入を資本金に繰り入れる
中小企業であれば、代表者や役員の私財から、会社に貸付として資金が投入されている事があります。
個人から会社に貸し付けていた貸付金(会社から見たら借入金)を、資本金に振り替えることで、その負債を減らし、資本を増やすことで債務超過を解消します。
この場合は、債権者が株主としての影響力を持てるという事になり、会社が再建できれば、債権者にとってもメリットといえるでしょう。
この方法は、デット・エクイティ・スワップと呼ばれ、企業再建で使われる事があります。
税務上、債務消滅差益が発生することがあり、税金を納める事にもなるので、その点にも注意が必要です。
長期的には経営努力が必要
長期的に見れば、利益を継続的に出せるように経営を改善する事が重要になってきます。
財務諸表上の債務超過を一時的に解消するだけでなく、事業の収益性の改善もあわせて取り組む事が求められます。