法人を設立して社長としてスタートする際に社長の役員報酬に設定すれば適切なのかわからない方もいらっしゃると思います。
本日は法人企業の社長の役員報酬の決め方の例を簡単に解説させていただきます。
誰しも生活を豊かにする為に役員報酬は高く設定したいと思うはずです。
最初から業績好調で進む事は少ないと思います。
上手く経営等を進めていくために知っておくポイントを掴んでいきましょう。
お分かりかと思いますが、個人事業の場合売上から経費を引いて所得が出ます。
そこから課税されて皆さんの可処分所得となります。
しかし、法人と個人の社長は全くの別物、別人格となります。
会社設立後は会社から社長が役員報酬を受け取る形となります。
法人企業には法人税法と言う法律のルールがあります。
役員報酬はただ設定し支払えば良いわけではなく、その法律の中で決められているルールをしっかりと知って、それに従って設定、支給する必要があります。
会社勤めの給料等とは少し違いがありますので、これから見ていきましょう。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/houji302.htm
ルール
1、定期同額の原則
・一度役員報酬を決めたらなかなか変更できない。
法人で利益が出ると法人税、法人住民税、法人事業税等いろいろな税金がかかります。
たくさん利益が出るのであれば、ちょっとでも役員報酬を多くして節税したいと考えると思います。
そう言った所を自由に調整する事を防ぐのが法人税法の狙いです。
役員報酬変更の期間は原則として決算が終わって3ヶ月の間までに役員報酬の金額変更が可能です。
一度決めてしまうと基本的に年度内は変更できません。
ただ、業績が著しく低下しているなどの理由であれば減額で切る場合もあります。
役員報酬は変更できる時もあるが、基本的には一度決めてしまうとなかなか金額変更はできないと覚えておけば間違いありません。
2、事前確定届出制度
・役員賞与は経費に落ちないが特例あり。
役員が賞与を取ることは可能です。
一般的には役員賞与は取ってはいけないと言われていますが税法で取っても良いとなっています。
その役員賞与は損金算入と言う規定があるので経費に落とすことはルールとして認められていません。
つまり、経費には出来ないがお金を出すことは出来るということです。
その役員賞与ですが、原則は経費に落とせませんが特例として事前確定届出制度を利用し経費にすることが出来ます。
この制度はまず【決算後来期何月何日に何円の役員賞与をとります】と、宣言します。
その通りに役員賞与を取る場合に限って経費として落とすことを認める制度です。
この事前確定届出制度はとても厳しい制度で宣言通りで無ければなりません。
何月何日に何円受け取ると届け出た場合その通りに受け取らないと経費に落ちませんし受け取り月日のズレや受け取り金額の過不足があっても経費になりません。
また、届け出たが役員賞与を受け取らず0円だった場合は届け出た金額の課税を求められる可能性もあるので注意が必要です。
実際に制度としては存在するのですが、その時になってみないと経営状況が分からないことなど、とても利用するには難しい制度なのであまり流行っていないというのが事実です。
本日は役員報酬や役員賞与の制度に関して簡単にご説明させて頂きました。
次回は役員報酬の金額を実際どのような考え方に基づいて決めた方が良いかお話をしていこうと思います。
参考にして頂けますと幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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