電子手形になると何が変わる?|紙の約束手形26年廃止へ

2021年2月17日の日経新聞で、手形に関する次のような記事が出ていました。

企業が取引先への支払いに使う紙の約束手形について、経済産業省は2026年をめどに利用廃止を目指す方針だ。産業界に対応を要請する。全国銀行協会も連携して銀行振り込みや電子記録債権(電子手形)への移行を促す。約束手形は一般に現金化まで数カ月かかる。受注側の中小企業の資金繰りを圧迫しがちな古い商慣行の改善に向けて動き出す。

紙の約束手形、26年廃止へ 日本独特の商慣行改善: 日本経済新聞

近く紙の手形が廃止される事になりそうです

約束手形とは、ある決められた期日に一定の金額を支払うことを約束する有価証券です。手形を受け取った人は。手形に定められた期日に銀行に持ち込むことによって、自分の口座に支払を受け取ることができます。一部例外はありますが、手形の支払は120日後が限度と決められています。

手形で支払える会社というのは、銀行に当座預金口座を開設できるだけの信用のある会社なので、その信用の上に成り立つ決済方法といえます。

▼約束手形とは?活用方法と資金繰りへの活用方法について

手形で支払う事で、決済までの時間を伸ばすことができますし、受け取る側としても、手形を譲渡して支払いに充てることもできます。

このような事から、日本の商取引では重要な役割になっていました。

約束手形の利用は1990年代をピークに減少傾向ですが、減少ペースはここ10年ほど鈍化しており、まだまだ約束手形を使っているケースは残っています。

電子手形になると何が変わるのか

政府としては、通常の銀行振込や、電子手形への切り替えを促進したい考えのようです。手形は受け取る側の資金調達手段として使えるメリットがあります。そのような手形の有用性があることから、手形の仕組みは残ると考えられます。

では、電子手形になると何が変わるのでしょうか。

手形の現物を受け渡すコストやリスクの削減

電子手形になると、現物の手形を受け渡す必要がなくなります。郵送や手渡しに係る手間がなくなります。現物を受け渡す事がなくなるので、手形の紛失や盗難の恐れもなくなります。また、電子手形では印紙税の負担もなくなります。

手形の保管コスト削減

電子手形ではペーパーレスなので、現物を保管する必要がありません。手形の現物で残高や期限を管理しないので、管理の手間が減り、管理もしやすくなります。

取立依頼が必要ない

紙の手形であれば、支払い有効期限に銀行まで出向いて取り立てる必要があります。電子手形であれば、期日になれば自動的に入金されます。取り立てに行く手間が省けるのは大きいですね。

手形割引の手間も省ける

手形の割引を行う場合にも、銀行に出向いて持ち込む必要がありませんし、事前に登録しておけば、割引の審査が省けるので、すぐに現金化できます。また、分割も可能なので、必要な金額だけ一部を割り引くという事も可能になり、利便性が高まります。

裏書譲渡も可能

電子手形のシステムでは、支払い側と受け取り側の両方に譲渡された事の連絡が通知されます。

政府では、大手企業から電子手形への移行を促す方針のようです。直前になって慌てないためにも、今から準備しておくことが良いかもしれません。

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