本日は気になる税務調査で質問される内容のお話をしていこうと思います。
①事業内容
・調査は基本午前10:00スタートです。
調査官が会社へ行き、社長さんに1時間程度ヒアリングを行います。
会社概要やどんなビジネスをやっていて、どんな商品、サービスを提供しているかや、顧客状況、仕入先、納品、請求、社長の趣味などを聞かれます。
お金の流れを主に聞かれますので商品がどのように回転していくかなどを聞かれます。
例えば売上の話で言いますと現金主義と発生主義があります。
お医者さんだったりすると2ヶ月遅れで入金があったりします。
そのような計上と入金のギャップがあるときに申告漏れ等になりやすいので気をつけなければなりません。
②在庫の計算根拠
在庫を棚卸資産と言います。
売上原価として経費に計上出来るものは売れたものだけです。
在庫をたくさん抱えていても経費にはなりません。
良く年度末になると在庫を抱えて経費しようとする事業主さんが居たりしますがこれは売れなければ経費になりませんのでお気をつけください。
あくまでも経費にするには売らないといけません。
在庫に関しては粉飾や脱税になってしまうこともあるので赤字だからと言って、在庫を膨らませたり、黒字だからと言って、在庫を圧縮したりなど無理にすることは気をつけた方が良いと思います。
③年間取引金額
反面調査と言って、仕入先や取引先の年間取引金額や相手の会社名、住所を聞かれたりします。
仕入先の情報を使って年間の取引金額に差異があるとどちらかが誤魔化していると調査官は判断したりします。
そうすると自分の会社とその取引先の会社両方を見ることができる為、調査官からしたら一石二鳥となります。
調査官はそのような情報を取りたがります。
④社長の趣味
事業内容のヒアリングの時に社長の趣味など、プライベートの事を聞いてきたりします。
ここで口が滑らすと大変です。
例えば趣味がゴルフの社長が居たとします。
税務官が「プライベートと仕事だとどちらが多いですか?」などと聞いたりしてきます。
その時に「プライベートが多いです。」と、答えた時に接待交際費にゴルフが多くあるとつつかれてしまいます。
仕事とプライベートをしっかりたて分けて経理処理をしてください。
⑤飲み代、食事代
・自分一人の食事代
こちらは家事費になるので経費にはなりません。
・福利厚生費
自分だけでは経費になりません。
社員を連れて懇親会をしたなどであれば経費処理はできます。
・会議費
理想は議事録完備です。
領収書などにどのような内容を誰と打ち合わせたなど記載しておくことをおすすめします。
⑥車両の使用状況
・会社で使っている車両は本当に仕事だけで使っているのかを見られます。
車両台帳を作成するのがおすすめです。
いつ、誰が、どこからどこまで車両を使用したなどを記録していることで説明が出来ると思います。
⑦家族従業員や親族である役員の働き方の状況
・実態が無いと経費にはできません。
役員報酬の変動も目立ったりするとチェックされる事もあります。
なので、しっかりと働いている実態を説明できるようにしておいてください。
⑧外注費、支払い手数料の内容
外注費が1番狙われやすいです。
こちらも実態があるのかどうかや契約書、請求書など説明できる材料を準備しておきましょう。
⑨修繕費
古い建物を修復して原状回復などをした場合は経費に落とせます。
ただの改良で資本的支出のある場合、1発経費は難しいです。
資本的支出の場合は、減価償却費として計上しなくてはならないのでお気をつけください。
⑩事業取引上で交付された契約書の確認
チェック後に契約書にちゃんと押紙、税法に基づいた収入印紙が貼られているかどうかです。
貼られていなければペナルティになります。
間違って貼り忘れた、たまたまそれだけ抜けていたなどの場合はその金額の1倍の金額が課税となります。
意図的に貼らなければ過怠税と言って3倍の金額が課税となります。
以上が税務調査で聞かれる項目でした。
税務調査が入ると事前の準備等で大変だと思います。
ですが、日々の間違いがない経理処理を行っていれば質問をされてもしっかりと説明できると思います。
いつ税務調査が入っても良い準備をしていきたいですね。 最後までお読みいただきありがとうございました。
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