消費税の課税選択の変更に係る特例について|新型コロナ対応

新型コロナ特例の一つとしての消費税課税選択の変更

消費税の課税事業者を選択する(又はやめる)にあたっては、原則として、その課税 期間の開始前に届出書を提出する必要がありますが、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている事業者につき、要件に該当するときは、税務署に申請し、税務署長の承認を受けることにより、課税期間の開始後であっても、課税事業者を選択する(又はやめる)ことが可能です。
通常であれば、課税事業者を選択した場合は、課税事業者を2年間継続しなければなりません。しかし、この特例の適⽤を受けて、課税事業者を選択する場合、課税事業者を2年間継続する必要はありません。

▼消費税の課税選択の変更に係る特例(財務省)

この、課税期間中でも課税事業者を選択できることが、なぜ新型コロナウィルスの対応となるのか解説します。

売上1,000万円以下の事業者は消費税が免除される

小規模の事業者では、事務の負担が大きいため、消費税の納税が免除される優遇措置があります。基準期間の売上が1,000万円以下の個人事業や企業は、消費税が免除されます。

そのような制度になっているため、課税事業者と免税事業者が存在することになります。

預かった消費税 - 払った消費税 = 納付する消費税

免税事業者では、売上時に受け取った消費税は納付する必要がなく、仕入などの支払い時に払った消費税だけを納付している事になります。売上時に消費税が上乗せされていたとしても、それを支払う必要がないため、益税と言われる制度となっています。
一見すると、免税事業者であれば消費者から預かった税金を支払う必要がないため、メリットが大きいと考えられます。しかし、状況によっては、課税事業者となった方がメリットがある場合があります。

課税事業者を選ぶメリットがある

支払った消費税 > 預かった消費税となる場合、課税事業者は還付を受けることができます。預かった消費税が少なかった場合は、消費税の納付をしなくても良いことに加えて、還付を受けることができるのです。ただし、簡易課税の方式を採用している場合は、還付の対象となりません。「原則課税」の方式で消費税の計算をしている場合に還付が受けられます。

還付が発生しやすいケース

還付が発生する場合は、課税事業者選択届出書を提出して課税事業者になっておいた方が良いでしょう。還付が発生するケースは次のような場合になります。

設立初年度で多額の設備投資をしたのに、売上が少なかった

この場合は、多額の設備投資で消費税を多く支払い、売上に対する消費税が少ない状態になります。支払った消費税が預かった消費税より大きくなり、免税事業者よりも課税事業者になるほうが還付を受けられます。

設備投資や建物購入などの支出が多かった

上記の設立初年度のケースと同様に、「支払った消費税 > 預かった消費税」となり、課税事業者だと還付を受けられるため、メリットになります。創業間もない時期など、初期投資で機械設備の資産を購入したり、設備工事で出費があると思います。分割で支払う場合でも、引き渡しを受けたときに課税仕入れをしたことになり、消費税を全額計上することができます。また、創業後は事業が安定するまで、売上が少ないことも考えられます。そのため、「支払った消費税>預かった消費税」となりやすく、その場合は還付を受けられます。

売上が免税となる輸出取引

輸出取引による売上は、消費税が免除されます。売上に対して仕入や経費では消費税を支払うため、「支払った消費税 > 預かった消費税」となり、課税事業者になることで還付を受けられます。

特例の要件

  1. 特例に係る法律の施行日(令和 2 年 4 月 30 日)以後に申告期限が到来する課税期間において、
  2. 新型コロナウイルス感染症の影響により、令和2年2月1日から令和3年1月 31 日までの期間の内、一定期間(1ヶ月以上の任意の期間)の収入が、著しく減少(前年同期比概ね 50%以上)した場合で、かつ、
  3. 当該課税期間の申告期限までに申請書を提出した場合

 注)原則として、消費税の申告期限は以下の通りです。
法人:課税期間の終了の日の翌日から 2 ヶ月
個人:課税期間の翌年の 3 月末

今回の特例では、課税事業者に切り替えても、課税事業者を2年間継続する必要はなく、2年間を待たずに免税事業者に戻る事もできるという事になります。

申請期限は、個人であれば3月末になりますので期限が近づいております。新型コロナの影響を受けている事業者様においては、顧問税理士や税務署にご確認の上、ご検討されてもよいのではないでしょうか。

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