財務分析における生産性とは
財務分析では、効率性分析と生産性分析がありますが、この二つはどちらも投入した量を分母に、売上の割合を計算します。
効率性と生産性は違うのでしょうか。
生産性を一般的に定義すると、資本や労働の投入量に対して、どれだけの付加価値を出すことができるかという事になります。
資本で考えた場合は
投入したお金で購入した不動産や設備などが生み出す付加価値。 →資本生産性
労働で考えた場合は
投入したお金で雇い入れた従業員が生み出す付加価値。 →労働生産性
財務分析の観点で置き換えると
資本生産性はストックに着目した付加価値の創出 →回転率で表した効率性分析
労働生産性はフローに着目した付加価値の創出 →1人当たり売上などの生産性分析
というように、効率性分析と生産性分析とは区別できるとも考えられます。
通常、生産性というと、労働力を投入量として計算した従業員一人当たりの労働生産性を指します。
労働生産性を高める事が、従業員への分配も多くする要因になる事は言うまでもありません。
より少ない労働で多くの売上を上げるには
- 稼働率を上げる
- より付加価値の高い製品を作り、価格を上げる
- 教育により、従業員の能力の向上をめざす
- 生産性の高い設備を用意して、少ない従業員で生産する
- 生産性の高い事業へシフトする
というような施策が考えられます。
こういった生産性の向上については、働き方改革にも密接に関連し、政府も政策として推進しています。
中小企業生産性革命推進事業
特に中小企業においては、大企業に比べて労働生産性が伸び悩んでいるという状況もあり、政府の積極的な支援策があります。
その一つとして、中小企業生産性革命推進事業があり、生産性向上を目的とした支援が行われています。
中小企業生産性革命推進事業では、ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金、IT導入補助金の3つの補助金が用意されています。
1.ものづくり補助金
新製品や新サービスの提供のための機械設備購入やシステム構築などの設備投資を行い、より付加価値の高い事業を行えるようにする。
2.小規模事業者持続化補助金
店舗の改装、ホームページの作成・改良、チラシ・カタログの作成、広告掲載など、販管費に関係する補助を行い、効果的な集客を推進する。
3.IT導入補助金
バックオフィス効率化のためのITツール導入により、販売管理や勤怠管理などの業務を効率化する。
いずれも、生産性を上げるための投資を支援して、経済を活性化することが目的です。
申請には期限がありますので、早急に確認することをお勧めします。
正式な情報が、独立行政法人中小企業基盤整備機構によって提供されていますので、詳しくは次のURLを参照してください。
https://seisansei.smrj.go.jp/