個人事業主は要注意|雑所得と事業所得の違い

政府による働き方改革の推進により、多様で柔軟な働き方として副業・兼業が認知されるようになって来ています。

しかし、副業の経費を損失に計上し、給与所得の税金から還付を受けるという節税術はこれまでも問題になる事もありました。

というのも、副収入の所得については課税上の取り扱いに注意が必要な為です。

損益通算は事業所得である事が前提

給与所得と事業所得の2種類の所得がある場合、この二つの所得を合わせて総合課税されますが、事業所得が赤字であれば、その赤字分を黒字の給与所得と相殺できます。それが、損益通算です。

給与所得と損益通算できるのは、事業所得などの一部の所得が認められていて、雑所得は損益通算できません。

雑所得から出た損失は、雑所得の金額を限度としてしか必要経費に算入できない事になっています。

したがって、副業で給与所得と損益通算する際には、副業からの所得が事業所得なのか雑所得なのかを区別する必要があります。

所得の分類と所得税の計算

個人の所得は、事業所得、給与所得、雑所得、不動産所得など10種類に分類されています。

所得税法で区分されている所得税(国税庁ウェブサイト)

   

所得の区分のあらまし(国税庁)

所得によって、課税上の取り扱いに違いがあり、損益通算できる所得とできない所得は明確に分けられています。

所得税計算の仕組み(イメージ)(財務省ウェブサイト)

   

所得の区分のあらまし(国税庁)

所得税の計算は、次の計算式で求められます。

所得税額 = (所得金額 - 所得控除)×税率(累進税率5~45%)

これに住民税が加わるので、実質の税金は、さらに10%程度上乗せされると考えれば良いです。

給与所得と雑所得など、損益通算できる所得は総合してにこの計算になりますが、

雑所得については、雑所得を得るために発生した費用も区別して計算することになります。

事業所得と雑所得の判断の目安

事業所得と雑所得の所得区分は、事業所得として該当するか、そうでないかの判断が必要です。

ただし、その判断基準は必ずしも明確とはされていないのが現実です。

雑所得の定義は、「いずれにも該当しない所得」と規定されているため、積極的な内容を有しないカテゴリーである事もその特徴です。

事業とは、「対価を得て継続的に行う事業」という事になり、「営利性・継続性・対価性」が客観的に認められれば事業に該当します。

屋号を掲げて積極的な営業をしているか、事業主としての名刺を持っていて取引先と継続的に連絡を取っているかなど、事業を行っていることが客観的にも成立している事が明確になっている事が必要でしょう。

持続化給付金は事業所得として計上します

新型コロナウィルスによる感染拡大に伴い、営業自粛や、社会的な活動自粛により売上が減少した事業者に支給された「持続化給付金」は、実態として事業収入の補填の性質を有するものなので、事業所得として申告する事になります。

会計上は事業所得としての雑収入に計上します。(雑収入と雑所得は、言葉は似ていますが違いますのでご注意ください)

個人に対して国や地方公共団体から助成金が支給された場合の取扱い

   

新型コロナウイルス感染症に関連する税務上の取扱い関係

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