債権回収会社とは、債権の回収や管理を行う事ができる株式会社です。
債権の回収は、本来債権者が行う事が原則ですが、回収が困難になった場合に債権回収を代理で行う事ができるのは弁護士だけでした。
バブル経済の崩壊以降、不良債権の処理についての対応が注目されるようになり、不良債権化した債権の処理を効率化することが求められるようになりました。支払いの遅れなどにより督促などの業務が発生し、単純な回収業務だけではない債権回収業を、弁護士以外の回収専門業者に委託する事が可能になったのです。
このことを受けて、債権管理回収業に関する特別措置法が制定され、この法理の規制の中で許可を受けた会社が債権回収を行う事ができるようになりました。
債権回収を代行する業は、日本においては法律事務にあたり、弁護士、認定司法書士(140万円以下の債権に限る)あるいは許可された債権回収会社以外の者が行うことは認められません。
債権回収業者の活用としては、債務者が倒産して債権放棄を余儀なくされる前に、債券回収業者に債権そのものを買いとってもらうという事もあります。
債権回収会社(サービサー)の仕事とは
主に事業者向けの債権の回収を行い収益を得ていますが、個人向けの銀行ローンやクレジットの債権も扱います。
入金の管理や債権内容のデータ管理、請求書の発行もサービサーが行う事ができ、債権回収を委託されると、債務者との連絡もサービサーが行う事になります。
債権回収代行
主に金融機関や保証会社から債権回収の委託を受けて、手数料を受けとることで収益としています。
この場合は債権の委託となり、債権者は元の債権者のままです。
債権買取
回収の代行手数料だけではなく、債権者から債権を買い取り、買いとった額よりも多く回収を行う事で、その差額を収益としています。
債権がサービサーに譲渡されますので、その後、債務者はサービサーと交渉しながらその会社に対して返済をすることになります。
サービサーとファクタリングの違い
サービサーが行う債権回収と似ている仕事として、ファクタリングがあります。
ファクタリングも債権回収サービスですが、ファクタリングで扱うのは売掛債権です。
サービサーは、借入による債権の回収を行うサービスを行います。
扱える債権の種類としては、法律で定められた特定金銭債権となり、ここには一般的な売掛債権は該当しません。
主に、事業者への貸付債権を取り扱っていますが、この特定金銭債権にはクレジットカードや銀行ローンなどの個人の借入も該当しており、ファクタリングとは扱える債権が異なります。
サービサーが買い取る債権の価格は、債権の額面よりもかなり低いと言われています。
そのため、債権がサービサーに引き継がれた場合、債務者の返済する額は本来の額より低くなる可能性もあります。債権の譲渡が行われたとしても、あわてずにサービサーと返済計画を話し合う事がよいでしょう。