節税と脱税、申告漏れ
節税は法律の範囲内で経理処理を行い、課税所得を少なくすることです。経費をしっかり計上し、各種の控除制度を活用し、納税額を抑えることで税金を抑えることであり、いわば節税は納税者の権利とも言えます。
脱税は違法行為です。故意に解釈を変えたり、偽装・隠蔽して納税を免れる事です。
一方、脱税と近いものに申告漏れがあります。
申告漏れは、経理処理事務の間違いや判断ミスとなり、基本的には脱税にはなりません。
自らミスに気付いて修正申告するか、税務調査での指摘を認めて修正申告して納税することで、納税者としての義務を果たせば良いので、悪意がないとされた場合は「申告漏れ」と言われます。
どのような時に脱税とされるか
売上の過少申告
現金取引での売上を、毎月少しずつ少なく計上したり、まったく売上に計上しないなど、いわゆる所得隠しです。
今期に計上すべき売上を次期に計上する事も、偽装行為になります。
経費の過大な計上
実際には行われていない業務委託を支払った事にするなど、架空の経費計上は脱税の典型例です。
仕事に関係ない家族との外食など、私的な消費を計上することも脱税になります。
特に個人事業であれば、公私の区別があいまいになりやすいので、事業に関係した支出かどうかを意識して計上する必要があります。
期末在庫を少なく計上する
売上が上がってないとその仕入れは原価として計上できません。
決算時の処理で、棚卸資産を実際より少なく計上し、費用を大きく見せる事で利益を圧縮する事は偽装行為とみなされます。
仕掛品・仕掛工事についても同様で、売上が立つまでは費用にできません。
交際費は法人では制限あり
個人事業主の所得税では、交際費の支出には特に制限はありません。
公私混同は気を付けないといけませんが、事業に必要な支出であれば交際費として認められます。
法人では原則交際費は損金にできませんが、資本金が1億円以下の法人であるなど条件を満たす一部の法人では、年800万まで交際費が損金に認められます。
脱税となった場合のペナルティ
延滞税
税務調査が入り、追加で払う税金が発生した場合、納める税金に加え、延滞期間の利息に相当する税金を払うことになります。
偽りまたは不正により納税を免れた場合とそうでない場合で、税率が違ってきます。
当然、偽りまたは不正による延滞の方が税率は高くなります。
加算税
申告が遅れた事による加算税、過少申告による加算税、不正による重加算税などがあります。
仮装、隠蔽による脱税で加算される場合は、重加算税といい35%が追加で課税される事になり、過去5年以内に重加算税を納付している場合、つまり繰り返した場合は45%にもなります。
刑事罰
不正が悪質であれば、逮捕されて刑事罰を受けるケースもあります。
期限を知ってたけれどうっかり忘れていた、とか、確定申告の仕方が分からなくて申告をしていないという事も、場合によっては故意とされて、脱税と認定されてしまうかもしれません。
判断に迷うような支出がある場合は、税理士や税務署に問い合わせる事がよいでしょう。