赤字は損益計算上の事であり資金繰りとは別計算
儲かっていて黒字で倒産するという事があります。
これは現代の経済が、信用取引の仕組みに大きく依存している為です。
現実では掛取引でないと商売はできません。
掛取引では、売上が計上されても、売掛金が回収されるまでは手元に現金はありません。
損益計算上で利益が出ていても、仕入れなどの支払いに使える現預金が足りない状態になり、倒産につながるのです。
黒字倒産と逆に、赤字でも倒産しないケースもあります。
国税庁によると、日本の法人の6割から7割は赤字であるデータが発表されています。
2019年都道府県別「赤字法人率」調査、赤字法人率66.6%、7年連続で改善 : 東京商工リサーチ
https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20190808_01.html
赤字の企業の割合が多いと思われるでしょうか?
それだけの会社が赤字決算なのに、潰れずに存続しているのはなぜでしょうか。
これは会計の仕組みが分かっていれば、そんなに驚くことはありません。利益になるはずのお金はどこにいったのかと想像すると、企業の利益が従業員や役員に還元され、企業としては赤字になっているという事が考えられます。
赤字とは損益計算上のことであり、資金繰りの計算とは別です。お金の都合がつく限り、会社は継続することができます。
借入ができたり、現金が入ってくれば倒産しない
収益の状況は良くないけれど、現金の取引が多くて、なんとか支払いができているというケースは考えられます。
ただし、その場の支払いを乗り切ることができていても、儲かっていないのであればいずれ現金が足りなくなる事につながります。
新規事業への投資などで一時的に赤字が続いていても、今後財務状況が良くなる展望を銀行が納得して、借入をすることができたという事はあり得ます。
借入で資金繰りができていれば、倒産することはありません。
経営者からの借入で資金繰りができているので倒産しない
特に中小企業や小規模の会社で多いのは、経営者からの借入で資金繰りをしているケースではないでしょうか。
経営者としては、会社が資金繰りで困っていたら自分の個人財産をつぎ込むケースは多いはずです。
会社が利益を出していたら、それなりの役員報酬を取れるのが経営者ですから、そうやって様々な手段で困難を乗り切っているのが中小企業なのではないでしょうか。
銀行は、経営者からの借入は負債と見なさない場合がある
銀行が融資を行う際は、財務諸表や決算書の最終的な数字だけを見て評価をするわけではありません。
借入金の中に、経営者からの借り入れがあったとしたら、銀行はそれを負債ではなく資本金として読み替えて評価します。
負債として計上されている項目が大きく見えていても、役員からの借入が多ければ不利になることはありません。
これが逆に役員に貸し付けている貸付金だと、資産と見なさず、負債と見なされます。
借入ができたり、経営者個人の資金を会社に貸し付けたりする事ができれば、事業を継続することができます。経営では資金繰りが重要なことがわかります。
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